秋田県厚生農業協同組合連合会(JA秋田厚生連)

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ニュースダイジェスト

ニュースダイジェスト JA秋田厚生連グループ(病院・本所)の取り組みやイベント等をお伝えしていくコーナーです。

2013年 5月《JA秋田グループ広報誌「かけはし」2013年5月号》より

最新医療で早期対応 ~スマートフォンを使った遠隔診断について~

山本組合総合病院 脳神経外科 診療部長 太田原 康成

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私が勤務している山本組合総合病院の脳外科診療は、2名の医師で行っています。年間入院件数500件強、手術件数80件強、24時間365日の救急対応を、十分とはいえない医師数で良好な治療成績を維持するために、いくつかの工夫をしています。

そのひとつがスマートフォンを利用した医療画像転送です。私達ふたりの脳外科医師が交代でスマートフォンを持ち、近隣の医療機関からの画像転送に備えて待機しています。脳疾患非専門医の先生が、緊急性や治療適応の判断に苦慮した場合、CTやMRIなどの画像を送って頂き、治療方針を検討させてもらうわけです。特に緊急手術を要する症例や発症後間もない脳卒中で血栓溶解療法を行う必要がある症例などでは、緊急性の判断は非常に重要であり、相談して下さる先生方からは、「患者転送時に自信をもって家族に説明できた。」「緊急性の判断を安心して出来た。」などと好評を得ています。

1例を挙げましょう。めまいと吐気を訴えて某病院を受診した患者さんは、検査を進めているうちに意識状態が急速に悪化しました。我々のスマートフォンに転送された頭部CTを見ると、明らかに緊急手術適応の小脳出血でした。救急車ですぐに搬送して下さるようお願いすると同時に手術の準備を開始しました。

患者さんが到着後は速やかに手術を開始することが出来ました。

当院からのスマートフォンへの画像転送は専用のサーバーから行っていますが、他病院からの画像転送はグーグルの画像閲覧サイトを利用していますので、莫大な初期投資なくどこの病院からでも容易に参加出来ます。個人情報の保護は、画像送信前後に十分な対策を講じています。

スマートフォンは、今や誰でも持っているごく普通の端末です。しかも最近の機種は、画質が向上しており、治療適応の判断は、十分に可能です。もちろん最終的な判断は、実際に患者さんと画像を見て決定する必要がありますが、広い医療圏で、しかも脳疾患担当医師数の限られたこの地区では、画像転送システムは、強力なツールです。一緒に脳疾患を担当してくれる医師が増えてくれることを最終的には期待していますが、地域の医師不足がすぐには解決しない現状で、大いに活用していきたいと思います。

岩手医科大学鹿角地域医療推進学講座の取組み「特任教授を迎え市民公開講座を開催」

かづの厚生病院

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「女性も男性もおしっこで困らないために」というテーマによる市民公開講座が3月4日、当院を会場に開催されました。

この事業は、秋田県・鹿角市・岩手医科大学の三者の協定に基づき、鹿角地域における医療連携のあり方に関する研究を行い、その研究成果の普及啓発と地域医療の質向上等を目的として同大学に設置された「地域医療推進学講座」の取組みの一つとして行われたものです。

市民講座としては昨年に続き2回目となる今回は、同講座の特任教授でもあり、当院の泌尿器科で実際に診療にあたっている同大学泌尿器科学講座の丹治進准教授を講師に迎えました。高齢者にとって非常に関心の高いテーマとあって、当日は予想を大幅に上回る250名近い市民が訪れました。

講演では泌尿器系の様々な疾患を分かり易く紹介するとともに、症状に応じた予防策や当院で受けることが可能な検査や手術、治療法等を説明。特に前立腺癌放射線治療を専門とする丹治准教授は、前立腺癌の早期発見に有効なPSA検査について、「50才を過ぎたらPSA検査を受けるようにしましょう」と強調。

更に、当院の泌尿器科は鹿角・小坂地域唯一の専門診療科である上、たった一人の常勤医師が外来、入院、手術、透析、当直といった業務を全てこなし、多忙を極めていることから、どのような場合は「かかりつけ医」に相談し、またどのような場合に「専門の病院」を受診するのか等、患者さんにも上手に病院を受診してほしいと呼びかけ、当地域における泌尿器科医の大切さを訴えました。

「当院看護師が救命活動に貢献」

秋田組合総合病院

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3月8日、当院看護師の保坂裕也さんが、心肺停止状態の男性に対し救命活動を行ったとして、他病院勤務の女性看護師さんとともに、秋田市城東消防署長から表彰を受けました。

1月25日午後2時ごろ、夜勤を終えた保坂さんが市内の百貨店で買い物をしていたところ、店内で倒れている70代男性を発見しました。男性は心肺停止状態であったため、119番通報とともに心臓マッサージを開始、その直後に近くを通りかかった女性看護師さんと協力してAED(自動体外式除細動器)を使用し、心拍再開させた後救急隊に引き継ぎました。市内の病院に搬送された男性は、その後順調に回復し、3月初旬に軽快退院されました。

保坂さんは看護師歴7年、山形県立保健医療大学卒業後山形市内の病院に3年間勤務、平成21年4月に当会採用となり、平成22年1月からICU(集中治療室)に勤務しています

JPTEC(日本救急医学会公認 病院前外傷教育)とACLS(日本ACLS協会認定 二次救命処置教育)を修了しており、救急活動を通じて社会に貢献したいという意欲を持ち続けています。この救命活動の報告を受けて、当院でも保坂さんを表彰し、その功績を讃えました。

私たち医療従事者は、研修等を受けていろいろな資格を取りますが、不測の事態に対応して実践することはなかなかできるものではありません。今後更なる活躍を期待します。

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