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JA秋田厚生連ニュースダイジェスト JA秋田厚生連グループ(病院・本所)の取り組みやイベントなどをお伝えしていくコーナーです。

ニュースダイジェスト

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2021年10月 《JA秋田グループ広報誌「かけはし」2021年10月号》

雄勝中央病院の腎センターについて

雄勝中央病院

 当院は湯沢市雄勝郡医療圏の中核的な医療機関として2次医療機能を担っており、県から救急告示医療機関の指定を受け、救急患者を積極的に受け入れています。また、災害拠点病院やエイズ地域診療病院などの各種指定を受けています。2005年8月に新病院となり、湯沢市駅前から現在の山田地区に移転する際に、あわせて高度医療機器を整備し、地域のニーズに応える体制を整えました。湯沢市雄勝郡の他、横手市や山形県北地域の方も来院しています。

腎センターについて

 当院は秋田県の県南地区で初めてとなる腎センターを設置しました。小松田院長が昨年4月に当院の内科に赴任するまで県南地区に腎臓専門医はいませんでした。腎疾患診療の充実を図るべく、初期の腎疾患から透析などの腎代替療法に至るまで、すべての腎疾患患者さんに対するトータルマネジメントを行っていこうと考え、実践しています。
 治療の対象となる疾患は急性糸球体腎炎、急性腎不全などの急性疾患の他、ネフローゼ症候群、多発性嚢胞腎、ループス腎炎などに代表される難病などの慢性疾患まで多岐にわたります。
 また、末期腎不全の患者さんには内シャントを造設し、透析を導入するなど、現在約80名の維持透析患者さんの治療も行っています。透析ベッド数40床で夜間透析も行っており、県南の基幹施設として質の高い透析医療を目指しています。

今後の目標について

 日本腎臓学会では、腎疾患対策検討委員会報告書における成果目標として2028年までに新たに透析を導入する患者さんの数を年間3万5000人以下にするとしています。現在は年間4万人程度が新規導入されていますので、あと8年で年間5000人減らすことが目標です。当地域では、人口比から年間の透析導入人数を18人以下にすることを目標としています。

目標の実現に向けての取り組み

 目標を実現するためには、腎疾患の早期発見・早期治療が必要になります。慢性腎臓病の重要な基礎疾患である糖尿病や高血圧に対する治療についても、生活習慣の改善を含め、看護師、管理栄養士、薬剤師などの多職種と共同して患者教育を行っていきたいと考えています。患者さん自身の行動の変容を促すことで、腎障害の進展を阻止していきます。
 また、当地区の医師会や行政の健康管理部門との連携も緊密に行っていく必要があります。当院では、昨年12月に「雄勝地域 腎疾患対策(糖尿病性腎症重症化予防事業)相談会」を開催し、情報交換しました。医師会の先生方には、紹介用紙を配付し、患者さんの紹介が気軽に、スムーズに行えるように努めています。昨年度の紹介患者数は60人でしたが、今年は昨年の実績を上回るような人数の経過となっています。

腎臓内科について

 当院の腎臓内科の患者数は月1000人~、入院患者も15~20人です。また、腎疾患の診断には腎生検が必要です。腎生検とは腎臓の組織の一部をとり、顕微鏡で評価を行う検査で、患者さんへの適切な治療法を決定するための重要な検査になります。この検査の実績も着実に上がっています。尚、腎臓内科外来は火曜日・木曜日の午後2時から完全予約制ですので、事前に確認とご予約をお願いします。

 これらの取り組みにより、末期腎不全に至る患者さんを一人でも減らせるように努力していきたいと思っています。まだ常勤医が少なく、その確保が僅々の課題です。また、当地区は循環器疾患、脳卒中の死亡率が高いです。慢性腎臓病の進展予防が循環器関連疾患の死亡率改善になることを期待しています。
 「病院、医師会、行政と緊密な連携が取りやすい環境」を最大限に活かして、地域の健康管理と腎疾患管理を行っていきたいと考えています。

新・減塩音頭 ~健康寿命日本一を目指して~

 健康寿命日本一を目指し、秋田県では塩分を取り過ぎないよう呼びかける「新・減塩音頭」を作成しました。もともとは、昭和55年に「秋田音頭」をアレンジして、「減塩音頭」を作ったようですが、未だ秋田県は、1日あたりの食塩の摂取量が高く、脳卒中による死亡率も全国平均を超えている現状にあります。そのため、減塩に加え、果物や野菜の摂取を促す内容で改めて健康的な食生活を呼びかけようと、この度、県は41年ぶりに新しい歌詞を募集しました。
 「新・減塩音頭」の歌詞は「減塩」「野菜・果物摂取」「健康寿命延伸」の3部門構成となっており、審査によって各部門の大賞が選ばれました。そして「野菜・果物摂取」の大賞に選ばれたのは秋田厚生医療センターの栄養科技師長です。
 今後は、スーパーなどで「新・減塩音頭」を流すなど、県民に食生活の改善を呼びかけていくようですので、皆さんも歌詞に触れて、実践してみてください。

自動精算機の導入について

能代厚生医療センター

 当院では、9月13日から自動精算機を導入しました。導入前までは、2台のレジスターを稼働させ、患者さんとスタッフが対面して会計業務にあたっていました。お金の受け渡しは非常に重要な業務であり、自動精算機を導入することで、つり銭の間違いを防止することができます。スタッフはこうした業務ミスの防止に注意していますが、今後は心理的負担の軽減につながりますし、心理的な余裕が生まれることで、より高い接遇意識を持つことができます。
 更に自動精算機では、スタッフが直接金銭に触れないため、衛生面の強化を図ることが可能となり、新型コロナウイルス感染症対策としても期待できるなど、患者さんにも安心してご利用いただけます。
 自動精算機は、まだ稼働したばかりで現在は平日の日中のみの稼働となっていますが、今後は夜間・休日の稼働も検討しています。慣れるまで時間はかかると思いますが、一日も早くスムーズに会計業務が行われるよう、スタッフも当面の間は、利用者をサポートしていきます。地域の皆さんの利便性と安全性の向上に向け、より活用しやすい運用を検討し、信頼される病院づくりに努めてまいります。

循環器診療再開

雄勝中央病院

 当院の循環器診療体制は、これまで長い間、常勤医師が不在でした。非常勤医師による診療を継続してきましたが、急性期循環器疾患の対応が困難な状況が続いていました。急性期の循環器疾患は、その発症からゴールデンタイムと呼ばれる時間内での治療開始が特に重要とされており、当院でもその体制整備に長年取り組んできました。
 秋田県は、人口10万人当りの心疾患による死亡者数が全国平均の1.3倍(2018年)であり、とりわけ湯沢・雄勝医療圏の死亡者数が多い状況にあります。これらの改善のため、秋田県では『循環器病対策推進計画(2021~2023年度)』を策定し、湯沢・雄勝医療圏でも治療実施施設の充実に向けて、医師の配置を目指すとされました。
 これを受け、この10月より秋田大学医学部付属病院より循環器内科常勤医師の派遣が決定しました。当院にとって、また湯沢・雄勝医療圏の住民にとっても、念願であった循環器診療体制構築に、大きく前進することとなりました。
 循環器診療体制の構築にあたっては、医師のマンパワーは欠くことのできない要素であり、チーム医療体制の整備も必要です。医師以外の医療スタッフの育成・教育も重要であり、加えて、治療を行うための医療機器の整備も必要です。この診療体制を継続するには、地元医師会をはじめ、地域住民の理解と協力も欠かせません。
 当院では、湯沢・雄勝医療圏の医療ニーズに応えるため、これら体制整備の充実を図ってまいります。