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JA秋田厚生連ニュースダイジェスト JA秋田厚生連グループ(病院・本所)の取り組みやイベントなどをお伝えしていくコーナーです。

ニュースダイジェスト

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2022年10月 《JA秋田グループ広報誌「かけはし」2022年10月号》

かけはし特集
北秋田市民病院の命を救うシミュレーショントレーニングについて

北秋田市民病院

 当院は大館能代空港のすぐそばにあります。広大な県立北欧の杜公園に隣接し、豊かな自然に囲まれた快適な療養環境です。北秋田二次医療圏の要として、質の高い医療を提供しています。

OFF JT講習会について

 シミュレーショントレーニングなどを行うものとして、OFF JT講習会があります。OFF JTとはOff The Job Trainingの略称で、職場から離れ、セミナーや研修などを行うことです。医療業界に限らず仕事に必要とされる能力を養うために良く行われています。特に医師・看護師を中心とした医療職には、生体モニターの搭載された人体模型のような特殊機器を用いたシミュレーショントレーニングが有効で、消防学校などでの学生教育、各専門学会における技術指導、特定医療機関など病院での定期研修としてよく利用されています。
 具体的には、重症外傷患者さんの初期対応・救急搬送の方法を学ぶ外傷初期診療や自然災害発生時などの多数傷病者発生時を想定したマネジメントなどを行います。当院では救急外来の医師・看護師だけでなく消防の救急隊の方と一緒に学会認定のコースを開催しています。
 開催頻度が多いのは、院内外での予期せぬ急な心停止患者さんに対する心肺蘇生を学ぶ蘇生コースです。当院では救急医学会認定のよねしろICLSコースという実践型講習会を年に4回ほど開催し、シミュレーショントレーニングを行っています。

医療スタッフ向けの講習会を定期的に行う理由

 当院のように規模の小さな病院では、何年も急変に対峙することがなかったような部署で元気だった患者さんが急に倒れたりすると、スタッフも対処に戸惑ってしまうことがあります。夜間など人手が少ない中でも迅速で正確な心肺蘇生をスムーズに行うには、普段から繰り返しトレーニングをしておく必要があります。

よねしろICLSコースなど学会認定の講習会を行うメリット

 多くの医療機関では、職場の先輩が指導者として新卒者や転勤者などに指導を行い、各施設での知識技術を保てるように工夫していますが、指導時間や内容はまちまちになりがちです。
 しかし、学会認定のコースは、受講者あたりの認定指導者数や指導時間が決められています。さらに、最新の知見に基づき、数年ごとに更新される指導内容と指導方法にのっとって提供されるため、受講者の実力アップは間違いありません。しかし、生体反応付きの人体模型など必要な資器材の準備や、施設ごとに認定指導者を確保することが難しく、定期開催は困難でした。
 また、県北部の医療機関は、どの施設も似たような状況で、学会認定コースの開催が困難なために指導者を育成しにくいというジレンマを抱えていました。そこで、大館市立病院やかづの厚生病院など近隣医療機関のスタッフに声がけをして、医療機関を超えて指導者・受講者ともに参加を呼び掛けることにしました。
 さらに、心肺蘇生の専門家である北秋田市消防を始めとした秋田県北部で働く救急救命士さんたちにも協力を依頼し、一緒に指導にあたっていただく体制を構築し、定期開催が実現しました。

今までの実績について

 2019年の第1回開催から現在まで北秋田市民病院ではよねしろICLSコースを6回開催し、当院開催の受講生だけで94人です。
 また、よねしろICLSコースでの複数回の指導経験などを踏まえて学会認定のインストラクターを新たに取得したスタッフは院内が6人、院外が10人です。県北部での認定インストラクターが多く誕生しているおかげで、県外や遠方から学会認定インストラクターを招かずとも認定コースを定期開催できるようになりました。

今後の目標について

 救急救命士の皆さんによる市民向けの心肺蘇生講習は、以前から効果をあげており、救命の連鎖は病院に到着する前から繋がっています。救急車内・救急外来と質の高い救命の連鎖が続くことで、救える命をたぐり寄せられるものと期待しています。
 病院内では講習を受講しているスタッフが複数いることで、チーム蘇生が効果的になり、蘇生のチャンスが増えることがわかっています。さらに学会認定コースに限らず、正確な知識をもった指導者が各職場で短時間の講習を繰り返すことでも効果をあげています。近隣医療機関も含め、よねしろICLSコースを定期開催し、受講者・指導者の輪が波紋のように広がっていくことで、米代川流域で救える命は必ず増えると信じています。

 また、消防・当病院スタッフに限らず、医師会やご開業の先生方からも本コースへの参加希望の問い合わせを多く頂くようになりました。心肺停止後の蘇生だけではなく、急変時の対応に知識と経験を活かし、急変の予知・予防に役立てられるように地域ぐるみで情報共有と医療の質の向上を図っていきたいと考えています。今後も患者さんの命を1人でも多く救うため、トレーニングを重ねてまいります。

令和4年度市民町民公開講座の開催

かづの厚生病院

 鹿角市文化の杜交流館コモッセで年に一度の秋田県・鹿角市・小坂町・岩手医科大学・かづの厚生病院主催の市民町民公開講座を開催しました。
 コロナ禍で向かえた、3回目の市民公開講座でしたが、換気や検温、座席間隔に配慮した上での開催となり150人程の市民町民の参加がありました。
 「糖尿病について」というテーマでは、当院の消化器内科医長の久米井 智先生が講師を務め、糖尿病の基礎的な知識や現状、改善方法などについて講演し、生活習慣や健康について改めて考える機会となりました。参加者の多くは、糖尿病予防や仕組みについての講演に真剣な眼差しで参加し、メモを取る方もいるほど興味深い内容でした。参加者の中には、実際に糖尿病を患っている方もおり、講演後の質疑ではこんなことに困っているという質問が寄せられましたが、久米井先生の丁寧な回答に質問者もほっとした表情を見せていました。
 例年よりも質疑応答が多く、地域住民の糖尿病へ関する関心度が高いと感じました。最後に久米井先生が「不安なことがあったらすぐに相談しに来てください」と温かい言葉で締めくくりました。

自衛消防訓練の実施について

大曲厚生医療センター

 職員が防災の基本的な知識・諸動作を身につけるため、搬送・消火・通報の3つの訓練を実施しました。搬送訓練では停電によりエレベーターが停止したことを想定して、エアーストレッチャーを使用し、自力では避難することのできない傷病者・転院搬送患者を階段で搬送する訓練を実施しました。消火訓練では実際に消火用散水栓・消火器を使用し、職員が有事の際に正しく使用できるように使用方法を身につけるとともに、初期消火の手順を確認することができました。通報訓練では院内での火災発生を想定し、火災通報装置の使用方法を確認しました。出火場所・燃焼物・逃げ遅れの有無等、火災状況を的確に伝えることを意識し、実際に消防署へ模擬通報を行いました。
 医療機関において災害時は確実に状況を把握し、多職種が連携して患者さんや病院利用者を避難させなければなりません。これからも当院では、いざ災害が発生した場合に対処法が分からず慌てることのないよう、人命の安全を第一に考え、職員一人ひとりが冷静かつ迅速に活動が行えるよう、今後も訓練を継続して実施していきます。